平成26年4月16日;臨時県議会
2014年4月27日

 平成26年2月議会にて岩槻から新都心に移転する県立小児医療センター新病院の建設費用の増額補正に私と自民党が反対したため、4月16日の臨時議会で再審議となった。

 これは資材や人件費の高騰で建設費用が当初の317億7千万円内に収まらなくなったため企業債を発行する、つまり約55億2千万円借入金を増やすという議案だが、自分の懐を痛めて3177万円の我家を建てる場合、資材と労務費が高騰したからといって、即552万円も借入金を増やすだろうか?

 民間ではまず本体、設備、外溝工事費で317億7千万円内収まる様に設計を見直すが、埼玉県は昨年末に消費税込みで294億6千万円の本体設備工事の契約をしており、既に23億1千万円の残額しかなく、最初から外溝工事は借金でという発想である。317億7千万円内に収めるという考え方を役所では誰もしない事に唖然とする。

 4月16日の臨時議会では、議案内容は全く同じにも拘らず、自民党が何故か賛成に回ったため、この増額補正予算は議会を通過した。しかしながら、相変わらず県立病院は救急医療・災害医療から逃げ回わり、一般会計からの運営費繰入金は年々増加し、歯止めの掛からない状態になっている。 
 医療行政に疎い上田知事は病院局の役人の言いなりで、このままでは本県の財政は破綻する。




【@平成26年4月臨時議会:質問項目】

質問1:総事業費317億7千万円に対し55億2千万円の補正というのは大き過ぎるので設計を見直そうという意見は県庁内で出なかったのか?

質問2:仮に知事が自分の懐を痛めて3177万円の予算で我家を建てる場合、資材と労務費が高騰したからといって、即552万円も借入金を増やすのか、或いは少しでも借入金を減らす様に設計を見直すのか?

質問3:民間では清水建設との話し合いで今から契約を解除せず基本設計を見直す事も可能と考えますがこの点についての見解は?

質問4:仮に契約を解除した場合に発生する違約金の想定金額。

 現在の県立小児医療センター新病院の基本設計には重大な欠陥がある。それは特別支援学校や県総合医局などの付加機能の2フロアーが病棟と管理部門、つまり医師の居る医局やその下の診療部門との間にある点である。(下図)

質問5:災害発生や点検でエレベーターが使えない時に病棟で急変があった場合、医師が病棟へ行くには2フロアー分の階段を余計に登らねばならず、診療面での導線が非常に悪い事が明らかだが、知事の見解は?

質問6:厨房や機械室で火災が発生した時に動けない入院患者を避難誘導する際、付加機能の2フロアー分が時間と労力のロスであり、防災面の導線も非常に悪い事が明らかだが、知事の見解は?

 病棟部分の凹凸を無くして四角にすれば、延床面積は約1.1倍になり、且つ壁の表面積を約3割減らす事が可能で、延床面積を減らさず、建築コストを削減できる。更に、四角にして12階病棟を9から11階病棟に分散すれば、病棟の総延床面積を減らさず1フロア減らす事も可能であると同時に、付加機能の2フロアーを病棟の上に持って行ける。
 また四角にしても内部の仕切り方の工夫でいくらでも個室感覚を出す事は可能である。(下図)

質問7:病棟部分の凹凸を無くし、四角にして付加機能の2フロアーを病棟の上に持って行った方が、コストパーフォーマンスも診療面の導線も、災害時の避難誘導の導線も良いのは明らかだが、知事の見解は?

質問8:財政調整基金を崩さなければ予算編成が出来ない本県の台所事情で何故この様な凹凸の多い金の掛かるデザインにするのか? 知事の見解は?

 




【A平成26年4月臨時議会:反対討論】

 
私は先ほどの質疑で質問2つとは言っておりませんし、質問8つの原稿も事前に担当者に渡しておりますが、いずれにしても本日の知事の答弁は「基本設計を見直すつもりがない」であり、今年の2月議会の補正予算議案と内容は全く同じなので、筋を通して反対の討論を致します。

 私は昨年12月の入札不調も、今年の2月議会での55億2千万円の補正予算原案が通らなかった事も「県立小児医療センター新病院の基本設計には重大な欠陥があるので見直しなさい」という天の声ではないかと思う事は質疑で述べた通りです。

 その重大な欠陥が特別支援学校や県総合医局などの付加機能の2フロアーが病棟と管理部門や診療部門との間にある点である事も質疑で述べました。

 災害発生や点検でエレベーターが使えない時に病棟で急変があった場合、医師が病棟へ行くには2フロアー分の階段を余計に登らねばならず、診療面での導線が非常に悪い事が明らかであり、また厨房や機械室で火災が発生した場合、動けない入院患者を避難誘導する際、付加機能の2フロアー分が時間と労力のロスであり、防災面の導線も非常に悪い事も明らかであります。

 病棟部分の凹凸を無くして四角にすれば、延床面積を減らさず、壁の表面積を約3割減らす事が可能であり、建築コストを削減できます。更に、12階病棟を9から11階病棟に分散すれば、病棟の総延床面積を減らさず1フロア減らす事も可能であると同時に、付加機能の2フロアーを病棟の上に持って行けます。

 また四角にしても内部の仕切り方の工夫でいくらでも個室感覚や快適な居住性を出す事は可能です。

 病棟部分の凹凸を無くし、四角にして付加機能の2フロアーを病棟の上に持って行った方が、コストも安く、診療面の導線も、災害時の避難誘導の導線も良いのは明らかであるにも拘わらず、財政調整基金を崩さなければ予算編成が出来ない本県の台所事情で何故この様な凹凸の多い金の掛かるデザインに固執するのでしょうか?

 昔から無いつもりでもあると言われる見栄と面子以外に理由を見出す事ができませんが、本日、私は県立小児医療センター新病院の基本設計には診療面の導線と災害時の避難誘導の導線が非常に悪いという重大な問題がある事を指摘致しまた。

 埼玉県の見栄と面子が将来的に大きな禍根を残す事を危惧し反対討論と致します。