今月のひとり言
2020年7月18日

 現場の医師の立場からは本県の新型コロナ第1波に対する対応の問題点として次の2点が挙げられる。
1)新型コロナ感染症の実態、即ちPCR陽性率、抗体保有率、致死率などが把握できていない事。
2)本県の東大宮病院の院内感染をはじめ、多くの院内感染が肺炎治療目的ではない紛れ込み患者から発生している事。


そこで「県立病院と県内中核病院で入院時PCR検査と抗体検査を実施しDATAを集約する提案」についての見解を問う。
本案のメリットとして以下の点が挙げられる。
①院内感染の予防となる。
②感染第2波・第3波の発生をいち早く検知し、感染拡大を阻止できる。
③県内医療圏ごとのPCR陽性率と抗体保有率の概要を把握する疫学調査にもなり、致死率も抗体保有率と死者数から概算可能である。

 既に慶応大学病院では入院時全例のPCR検査を実施し、「4月6日から4月30日に入院した258例中7例(2.7%)でPCR陽性」という結果を発表している。院内感染を経験している慈恵医大も入院患者全例にPCR検査を実施しており、神戸市では神戸大病院・神戸市立医療センター中央市民病院等が手術前・検査前のPCR検査を実施している。岐阜県では岐阜県立多治見病院が手術前のPCR検査を実施し、本県でもさいたま市立病院やさいたま市民医療センタでは全身麻酔の術前PCR検査を施行している。

 欧米では新型コロナのスクリーニング検査が既に実施されており、日本医師会や各種外科系学会から、B型肝炎やC型肝炎ウイルスと同様に入院時の新型コロナPCR検査を保険収載する要望が厚労省に提出されている。県の事業として県立病院がリーダーシップを取って入院時のPCR検査と抗体検査を実施すれば県内の中核病院は追随する。県立4病院、埼玉医大の本院と分院、防衛医大、独協越谷、自治医大さいたま医療センター、各市立病院、日赤病院などが入院時のPCR検査と抗体検査に参加すれば3週間で3000サンプル集計可能です。費用は保険適用外の部分を県が負担すれば良く3000サンプルなら5000万円未満で実施可能である。


保健医療部長答弁:
 入院時にPCR検査を行う事は、紛れ込みによる院内感染を防止するための有効な方法の一つであると考える。しかし現時点では保険適用が限定的であることや、正しく陽性となる確率が7割程度であることから、県として一律にPCR検査の実施を医療機関に要請し、報告を求める事は難しいと考える。




県立病院と県内中核病院で入院時PCR検査と抗体検査を実施しDATAを集約する事について