2013年10月13日

 本年6月定例会で「備蓄用リレンザ14万7,200人分を3億6167万400円で追加購入する議案」に私一人が反対した。

 
私は平成23年の6月議会でも備蓄用タミフルの追加購入に反対したが、第1の理由はこの備蓄用リレンザが備蓄用タミフル同様にパンデミック時で、且つ市場流通分が不足した場合にしか使用できない契約になっている事である。

 
WHOが新型インフルエンザのパンデミック宣言をした平成21年に於いても備蓄用タミフルの放出には至らず、インフルエンザ治療薬の主流が1日2回、5日間投与のタミフルやリレンザから1日1回投与のイナビルやラピアクタに移ってきている現状では、市場流通分のタミフルやリレンザが枯渇する事はまず考えられない。

 
第2の理由は期限切れとなった備蓄用リレンザも備蓄用タミフル同様に都道府県の責任で廃棄処理する契約になっている事である。
 先程も述べた様に備蓄用のタミフルやリレンザが放出される可能性は殆どなく、ロシュ社とグラクソ・スミスクライン社は行政には備蓄用のタミフル・リレンザを売りつけ、国民には市場流通用のタミフル・リレンザを買わせて大儲けしている訳である。これまで備蓄用タミフルとリレンザに使った日本国民の血税はそれぞれ813億3804万円と260億4420万円に上り、まさに外資の喰い物にされている。

 
第3の理由は、私の所に本議案について説明に来た保健医療部疾病対策課の担当者に備蓄用リレンザが使用されずに廃棄されるのが勿体ないと思う心と有効利用する方法はないかと模索する姿勢が全く見られない事である。

 
疾病対策課の担当者に「備蓄用のタミフルやリレンザに関わる厚労省と製薬会社との契約書は手に入りますか?」と聞いても厚労省に問い合わせもしないで「出来ません」という回答であつた。話にならないので私は某ルートを通じて契約書の写しを入手した。そこには「通常のインフルエンザ治療用としては使用しないものとする」とはあるが、「医療従事者の予防投与に用いてはならない」とは何処にも書いていない。従ってインフルエンザ流行時に期限切れ直前の備蓄薬を県内の医療従事者に予防を目的として使用する事は県の判断で可能である。

 
実際、平成21年の新型インフルエンザ流行時には保健所感染症担当者及び発熱外来の医療従事者に対して予防を目的として954人分を使用した前例がある。前例があるにも拘わらず、疾病対策課の担当者は「出来ません」を繰り返すだけであった。

 上田知事はよく「最小・最強の県庁」と言うが、保健医療部疾病対策課を見る限り「出来ない理由を探す事には熱心だが、出来る様に努力する姿勢が全く見られない最低・最悪の県庁」と言わざるを得ない。竜巻被害の支援適用外となった被災者の方々が「被災者には支援無し」の一方で「備蓄用のタミフルやリレンザを毎年何億円分も捨てている」と聞けばどう思うだろう。

 
私は平成23年6月議会の後、備蓄用タミフルに関わる利権の話を某ルートから国に伝えたが、本年7月にタミフルの使用期限を7年から10年への延長を決め、今年度末に使用期限を迎える備蓄用タミフル約1700万人分(約280億円)の廃棄を回避した厚労省の方が本県の保健医療部よりよっぽど柔軟性がある。

備蓄用タミフル・リレンザの利権