「25病院延べ36回受け入れを断られて
   亡くなった久喜市の救急事例」
 25病院延べ36回受け入れを断られて亡くなった久喜市の救急事例に於いて救急隊が県立呼吸器・循環器センターに受け入れ要請をしていない。その理由は同センターが救急告示医療機関になっておらず、過去に搬送実績も無く、最初から彼らの頭の中に無かったからである。

 埼玉県病院局は県立病院の役割は3次医療と言うが、現在、県立病院(精神医療センター・がんセンター・小児医療センター・呼吸器循環器センターの4病院)は3次救急指定はもとより、一つも救急告示医療機関にすらなっていない。

 ところが、埼玉県は県民の最大のニーズである救急医療をやらない県立病院に毎年80億円弱の運営補助金(設備の補助金を除く)を一般会計から繰り入れ(=赤字補填)しているのである。

 平成25年度予算に於いても77億7千万円の運営費繰り入れが計上されており、特に呼吸器・循環器センターの平成25年度予算に於ける人件費率50.5%は22年度の民間一般病院の人件費率の全国平均54.3%よりもかなり低く、何故一般会計からの繰り入れが17億3千万円も必要なのか理解に苦しむ。

 3月の予算委員会に於いて「久喜市の救急事例は埼玉県内の病院には全て受け入れを断られ、最終的に受け入れたのは茨城県内の病院である。県政の最大の責務である県民の生命と財産を守る事ができていない状況を見て、県立病院は救急告示医療機関である事が望ましいと考えるか否か」を訊いた所、上田知事が「望ましいと考える」と答弁した事が救いである。
2013年3月21日