野田総理の「近いうちに」発言からようやく、12月4日に衆議院選挙の公示となったが、政党の乱立、烏合離散を見ると、国会議員の先生方の頭の中は「自分が選挙で当選する事しか考えていない事」が非常に良く見える。

 「嘘つきは政治家の始まり」と揶揄される様に、いくら「国家・国民のため」という美辞麗句を並べても、本音は「自分のため」である。

 特に自らの選挙が敗色濃厚で解散に反対していた民主党の先生方は「国が無くなっても、議員バッジを付けていたいのか?」と思う程であった。

 私は尊敬できない人が教授になったら医局を辞める医師の世界から、政治の世界に足を踏み入れたが、議員ほど節操無く自己保身に走る人種を見た事がない。

 私が医師と議員の2足のわらじを履いている事に対して、「両立出来るのか?」というご批判を受けるが、私は逆に「議員を辞めると飯が喰えない人は、議員をやってはいけない」と思う。何故ならそういう人は言いたい事も言えないし、議員であり続けるために悪魔に魂を売り兼ねない。

 故浜田幸一氏がヤクザの親分に「お前みたいな中途半端な奴は、ヤクザにもなれないから政治家になれ!」と言われて政界に入った有名な逸話があるが、確かにヤクザの世界では貸し借り、義理人情の遵守は極めて重要である。一方、政治の世界では自分の議員バッジやポストのためには「裏切り、寝返り、恩を仇で返す」、何でも有りである。

 私自身もある意味ではヤクザ以下の世界に身を置いている訳だが、そんな世界の人達に1票を投じなければならない有権者の判断は極めて難しいと思う。
2012年12月5日

「ようやく解散・総選挙」