「埼玉県立医科大学の行方
 その2:県
立の医学部の必要性

2012年2月21日

 昨年の9月議会で知事が既存の私立医大誘致の可能性について言及しましたが、私立医大の学費は一般家庭に払える金額ではありません。一番学費の安い慶応の医学部でも6年間で約2000万円、埼玉医大は3800万円もかかります。一方国公立だと約350万円で済みます。

 従って、埼玉県出身者で医師を志すも親に経済力が無い場合、都内の東大の医学部と東京医歯大が偏差値70以上の狭き門なので、群馬大や新潟大など近隣の国公立医学部に進学しているのが現状です。そして医師の社会ではその都道府県の国公立大学医学部を頂点としたピラミッド構造が形成されていますので、出身大学のある地元に居た方が、就職先が安定確保されます。

 私の息子も親の懐具合を心配して、国立の宮崎大学医学部に行ってしまいましたが、卒業後、埼玉に戻って来るかどうかは甚だ疑問です。

 また、国公立の医学部を目指している学生は皆なそれなりにプライドを持っており、授業料を減免されても偏差値の低い私立医大には行きたがりません。

 偏差値の高い事が頭の良い事を意味する訳ではありませんが、ケアレスミスが少ないとは言えます。輸血の血液型間違いとか、週1回投与の抗癌剤を毎日投与してしまうとか、医療ミスの多くはケアレスミスによるもので、医療従事者にとってケアレスミスが少ない事は極めて重要です。