埼玉県の人口10万人当たりの医師数139.9人(全国平均212.9人)は47都道府県中最下位で、その要因として全国第5位の人口719万人を擁する本県に国公立の医学部がない事が指摘されています。

 県議会では今年度、全県議が加入する県立大学医学部設置推進議員連盟が発足し、更に県議会独自の5カ年計画には県立大学医学部設置が明記されました。

 一方、上田知事は医師の養成と供給を大きく他の都道府県に依存し、知事の目指す「自立自尊の埼玉」にはほど遠い医療事情にも拘わらず、医学部設置に対し国が医学部新設を認めていない事とイニシャルコスト700億円、ランニングコスト年間65億円という財政的理由から消極的な答弁に終始しています。

 文科省が医学部新設を認めず、定員増で対応しているのは、学部を増やすと将来人口が減少し、医師過剰になった時、定員を削減しづらいとの理由ですが、その裏には、医者を増やすと医療費が増えるという厚労省の思惑もあります。

 昨年の12月議会で医学部設置の具体案について質問しましたが、結論は既存の私立医大を買収するか、文科省に働きかけて国公立の医学部のない県(埼玉・栃木・岩手)の医学部新設を許可してもらうかの選択肢しか無い様です。

 次の選挙で政権を明け渡す可能性大である民主党にはもう官僚を動かす力が無い様で、残念ながら、前官房長官を含め今の埼玉県には使える国会議員が居ません。
2012年2月2日
「埼玉県立医科大学の行方
その1:県議会は積極的、県知事は消
極的