21世紀が始まったが、22世紀まで人類は存続できるだろうか? 地球の人口が10億人を突破したのは1804年、その約200年後の1999年にはその6倍である60億人を突破してしまった。地球は46億年前、生命は35億年前、哺乳類は4000万年前、原始人類は450万年前に誕生し、我々ホモ・サピエンスの登場は10万年前という説が有力である。仮に10万年前を1月1日とし、今日までを1年間として換算すると200年前は12月31日の午前6時30分頃となり200年間で6倍増がいかに爆発的であるかが分る。
 
 地球以外に人類が住めそうな惑星が見当たらない現在、「人口爆発、即ち、地球が何人の人間を養えるか?」が、「地球の温暖化」と並んで21世紀末には人類の存亡にかかわる問題となるのは確実だ。自給自足では約1〜2億人、農業などで食料を大量生産できる現代でも、1人当たり年間平均118kgの肉類を消費するアメリカ人の食生活では19億人、日本人の食生活では42億人、1人当たり年間平均5kgの肉類しか消費しないインド人の食生活でも87億人しか養えないらしい。
 
 生命の歴史を見ると極端に繁栄した種は、アンモナイトも恐竜も、全て絶滅している。20世紀末にエイズウイルスが登場したり、先進国の男性の精子の数が減っているのは増え続ける人口に歯止めをかけるためではないかとも思えてくる。先進国では少子高齢化が進み人口は減少に転ずると予想されているが、開発途上国では爆発的に増加し続けており、食料の枯渇は世界大戦の引き金になりかねない。遺伝子組換え作物等による食料生産性向上も人口問題を考えると避けては通れないだろう。

 米国もフランスも先進国では農業を国家戦略の基盤と位置付け、中国が人口抑制策に失敗し、食料問題が起こった場合の米国の最終兵器は食料であるとも言われている。それに対して、日本の食料自給率は低下し続けており、98年度は40%である、果たしてこれでいいのだろうか。

 ホーキング博士は千年以内に人類は滅亡すると予言しているが、彼によれば、宇宙には地球と同様、人類の如き知的生命体が存在し得る条件の惑星が約200万個はあると想像されるが、そのような惑星に未だ遭遇しないのは高度に発達した文明はあまりに不安定で短期間で自滅してしまうからだという。つまり仮に宇宙飛行出来る様な文明が1万年間繁栄し得たとしてもそれは地球の歴史46億年のうちの46万分の1にすぎないわけである。地球の人口問題を日本のマスメディアが真剣に取り上げないのは「真剣に考えるとあまりに恐ろしい事」だからだろうか?




【22世紀まで人類は存続できるか?】