麻生総理が衆議院を解散しない理由は極めて簡単で「一日でも長く総理大臣をやって居たいから」である。

 麻生総理の総理就任以降、衆議院を解散する機会は3回あった。

 第1回目は昨年9月の総理大臣就任時である。この時の内閣支持率が48%で一番高かったのだが、自民党の事前調査の結果では自公での過半数確保が微妙であった。万一、自公で過半数確保できなかった場合は短命の首相で終わるため解散を見送った。

 第2回目は西松建設の問題で当時の民主党代表、小沢一郎氏の公設秘書が逮捕された時であったが、この時も自公で過半数の確保が困難なため見送られた。

 第3回目が現在問題となっている鳩山由紀夫民主党代表の故人献金問題であるが、静岡県知事選の負けと東京都議選の苦戦により解散困難となっている。普通の人ならこれだけ負けが続くと安倍氏や福田氏の様に総理を辞任するが、居座り続けられる麻生氏の精神力は流石に吉田茂の孫である。

 私は市会議員を6年間やらせて頂いたが、議員ほど節操なく自己保身に走る人種を知らない。自分の主義・信条を曲げずに行動しているのは1割未満で、大多数は勝ち馬に乗ってポストを獲得する事と次期選挙の事しか考えていない。「国民のため、市民のため」と言いながら、本音は「自分のため」である。

 麻生総理の頭の中は一日でも長く総理の座にいる事と自身の選挙の事で一杯であり、他の議員の当落などはどうでも良いのである。

 民主党の政策もバラマキ的で、特に安全保障政策は極めて危ういが、後期高齢者制度、裁判員制度、定額給付金etc. 近年の自民党の政策は悪過ぎる。この際、自民党は一度下野して解党的出直しをした方が良いと思う。


【麻生総理が衆議院を解散しない理由】
2009年7月9日