4月1日付の新聞各紙で報道されたさいたま市議会の自民党会派分裂について当事者の立場から説明して置きたい。

1)分裂した各会派の構成議員は以下の通り
  (敬称略、○は旧市からの通算当選回数)


【自民党さいたま市議会議員団:青羽議長を除く14名】

 清水賢一(北区、C、3期目に副議長)〜平成19年度団長
 関根信明(北区、B)
 沢田力(大宮区、B)
 新藤信夫(大宮区、A)
 細沼武彦(見沼区、B)
 中島隆一(中央区、B)
 桶本大輔(南区、A)
 萩原章弘(南区、B)
 中山輝男(岩槻区、E)
 井上洋平(岩槻区、B)
 長谷川浄意(緑区、D、4期目に議長)
 武笠光明(緑区、C、3期目に副議長)〜平成20年度団長
 青木一郎(西区、D、4期目に議長)
 
日下部伸三(西区、A)
 
青羽健仁(浦和区、C)〜現議長
     ⇒平成19年9月に会派離脱し無所属に

 
【自民党・彩政会さいたま市議会議員団:9名】
 鶴崎敏康(見沼区、D、4期目に議長)
 中山欽哉(見沼区、C)〜新会派平成20年度団長
 土橋貞夫(桜区、B)
 真取正典(桜区、C)
 加藤得二(中央区、C)
 霜田紀子(南区、B)
 野口吉明(南区、D)
 福島正道(浦和区、H)
 小松豊吉(浦和区、D)←無所属から加わる。

2)会派分裂の理由(新聞各紙より)

【自民党さいたま市議会議員団の言い分】

・政務調査費の領収書の全面公開に積極的な14人で会派を構成した。
            (清水団長:東京新聞)
・青羽議長の進める議会改革を巡り意見が二分したため
            (清水団長:毎日新聞)

【自民党・彩政会さいたま市議会議員団の言い分】
・政務調査費の領収書の全面公開には反対していない。
 政策的には同じだ。  (新会派の市議ら:東京新聞)
・政務調査費や政策的なことで違和感があったわけではない。
            (中山団長:読売新聞)
・議会改革に異論はない。一方的な突然の除名で納得できない。
            (中山団長:毎日新聞)
・自民党として一会派で活動したかったが、トップダウンで役員人事を決める自民党市議団の運営方針に疑問があった。政務調査費の領収書の全面公開など改革の方針には賛同している。
            (中山団長:朝日新聞)

3)議長ポストを巡る分裂か?
 各新聞の読者には両会派の言い分からは分裂の理由が分らないのではないだろうか?埼玉新聞は「正副議長の任期などをめぐる意見の相違]と書き、毎日新聞は「議長ポストを巡る分裂との見方もある」と書いているが、前期は4期生4名が1年任期で議長ポストを回したが、今期は青羽現議長が1年経っても議長を譲らないので議長適齢期の4期生(中山欽哉氏、真取正典氏、加藤得二氏)と5期生の野口吉明氏が造反したと推測する方が分り易いだろう。

4)日下部の会派離脱の進退伺いは?
 19年12月定例会で5億円の盆栽購入とサッカー博物館関連議案の採決を棄権し自民党会派離脱の進退伺い中であったが、20年2月定例会では盆栽関連施設とサッカー博物館の関連議案には明確に反対した。私も前述の8名と一緒に会派を離脱する事になっていたが、「くさかべが与党会派を出るのは市長と政策が合わないからで人事とは無関係」との理由で深井明自民党県連幹事長と青羽議長から「待った」がかかり自民党さいたま市議団に留まっている。
 
追記:一般の方には非常に分り難いと思うがさいたま市議会に於ける自民党というのは政党というよりも自分党の集まりである。自民党の議員はそれぞれ自己の後援会組織を有し、無所属でも当選できる自信と志がある議員は政策的に合わないと会派を離脱する。公明党や共産党の議員は議員個々が後援会組織を持っている訳でなく党本部の公認が無ければ当選はもとより選挙すらできない。民主党に於いては党のバックアップが無ければ選挙すらできない議員と自己の後援会組織で当選できる議員が混在している。

さいたま市議会の自民党会派分裂について
2008年4月8日