【2006年を迎えて】
 周知遅ればせながら明けましておめでとうございます。
 皆様は新年をいかがお過ごしでしょうか?

 昨年は女児を狙った誘拐殺人事件が多発し、耐震偽装建築が明るみに出るなど「危」という文字に象徴される様に「治安と安全」が問われた年でした。今年も既に生後間も無い赤ちゃんが身代金目的で誘拐される事件があり、私にも小学校2年生の娘が居ますが、刑法犯罪の件数自体は減少傾向にあるにも拘らず、弱者を狙った犯罪が多いため肌で感じる体感治安は年々悪化しています。

 基本的には警察は県の仕事ですが、「市にも何かできる事はないか」という事でさいたま市では今年の1月から全小学校に警備員を1名ずつ配備する事を決めました。1月10日から3月24日までの登校日53日間、1日8時間勤務で約7200万円かかりますが、やはり子供達の安全が第1です。また、小学校、中学校では「挨拶をしましょう」という指導も進めています。挨拶をされると犯罪者の方は「顔を見られた」と思うためかなりの犯罪抑止効果がある様です。

 いずれにしても私達は「治安」と「プライバシーや人権」というものはある意味で反比例する事を認識しておく必要があるでしょう。プライバシーを重視すればするほど隣が性犯罪者であっても、テロリストであっても分らない訳ですから。

 先日、何の罪も無い子供を4人も殺した宮崎勤の死刑が17年間かかってようやく確定しましたが、犯罪者に対する人権が極めて重視されるこの国ではオウムの麻原裁判も未だに係争中です。この麻原裁判に使われた税金は国選弁護士費用だけで約4億円に上りますが、日本では犯罪加害者には公正プログラムとか国選弁護士費用とかで年間約500億円の税金が使われているのに対し、犯罪被害者に使われている税金はわずか11億円に過ぎません。

 この国では警察に捕まって刑務所に入っても3食昼寝付きで、囚人が看守につばを吐きかけてもお咎めなしで、看守が囚人を殴ると人権侵害だとマスコミが騒ぎます。中国人の窃盗団が「日本は犯罪天国だ」と言っている様に日本では犯罪を犯して刑務所に入る事が抑止力になっていないのです。姉歯の耐震偽装建築も今の法律では刑事罰は罰金50万円で終わりです。

 日本が犯罪者に甘いのもその根っ子は公教育にあると私は思います。今の日本の学校では授業を邪魔する生徒を廊下に立たせる事も体罰とされ、その子の授業を受ける権利を侵害するといって出来ません。私の女房はアメリカ人ですが米国では授業を邪魔する生徒を廊下に立たせる事は体罰でも何でもなく、その生徒を廊下に立たせなければ真面目なその他大勢の生徒の授業を受ける権利が守れないと考えます。

 「厳罰化では何も解決しない」と主張する人達が進歩的と称され教育やメディアの世界で力を持つ様になってから、日本は「法治国家」から「放置国家」に堕した様ですが、この狂った国をさいたま市の公教育から治して行きたいと思う年頭です。

追記: 本年も変わらぬ御支援の程、宜しくお願い致します。



2006年1月26日