【郵政解散と総選挙】
 小泉首相が郵政民営化法案が参院で否決された事を受け公約通り衆院を解散した。

 従前の自民党の政治手法からすれば異例の解散であるが、世論調査の結果はこの首相の決断を「支持する」が約1/2、「支持しない」が約1/3である。

 「強いリーダーシップが必要」、「首相の顔が見えない」などと言いながら、今回の様に首相の顔がよく見える形で権限を行使すると今度は「独裁的である」などと批判する日本のメディアの節操の無さに呆れながら、この郵政解散と総選挙に対する私見を何点か述べてみたい。

1) 小泉首相は自民党総裁選挙で明確に「郵政民営化」を公約に掲げていたのだから、小泉純一郎と書いた議員は郵政民営化法案に賛成すべきである。

2) 反対派の主役の一人である小林興起氏の東京10区に小池百合子環境大臣をぶつける手法も従来の自民党では考えられない事であるが、小泉首相は「自民党をぶっ壊してでも改革を断行する」と公言していたのだから、これも公約通りであろう。

3) 民主党とアンチ自民の日本のメディアは「郵政民営化よりも大事な事がある。」という方向に争点をぼかすだろうが、郵政事業の民営化は小さい政府を、非民営化は大きい政府を意味し、首相の言う様に改革の本丸である事を強調したい。

 郵政事業を民営化するという事は国民負担が少ない自由主義を目指すという事であり、民営化しないという事は国民負担が大きい現状の官僚統制社会主義を踏襲する事である。

 今後、少子高齢化が益々加速し、税金や社会保険料を納める人口が減り、社会保障を要する人口が増える我国に於いて大きな政府が維持できるだろうか?低負担高福祉はありえず、民間でもできる事は民営化しないと高負担となる事は避けられず、郵政民営化問題は福祉や年金と無関係ではない。

4) 小泉総理はしばしば織田信長に例えられる。歴史を見ても行き詰まった状況を打破しなければならない時には、民衆は調整型のリーダーではなく、少しエキセントリックなリーダーを選ぶものだが、単に「税金を安くします」という候補者が当選できるほど日本人の民度は低くは無い。

 むしろ選挙の度に賢明な日本の有権者の絶妙の選択に感心させられる。前回のさいたま市長選挙も全くの素人の中森氏に市政を委ねるという危険は冒さないものの、続投させる相川市長にもきついお灸を据えるという「さいたま市民の絶妙の選択」であった。




               






 







 



2005年8月12日