【イラク邦人拉致事件の疑問点】
 このイラク邦人拉致事件では腑に落ちない点が多いと感じているのは私だけではないだろう。以下に疑問点を列挙する。

 第1点:拉致された3人の様子を映したビデオを見る限り3人の表情に「3日後に生きたまま焼き殺される」という悲壮感が無い事。

 第2点:この3人がヨルダンからバグダッドに入るに際し、他にもっと安全なルートがあるにもかかわらず敢えて「魔のルート」と呼ばれる最も治安の悪い地域を通っている事。

 第3点:「サラヤ・ムジャヒディン」という犯行グループは反米武装勢力の一つではある様だが、いままでに外国人を拉致する様な事件を起こしたり、犯行声明を出したことはなく、西側情報機関にリストアップもされていないこと。

 第4点:日本政府が自衛隊の撤退には応じないと見ると「人質を24時間以内に解放する」等と言い出した事。

 第5点:この武装グループの「日本政府はイラク国民に対して謝罪しろ」という声明は日本国内の左翼勢力の常套句である事。

 第6点:約2日間で15万人の署名を集める事はボランティア組織では不可能で政党の様な組織が動かなければ不可能である事。

 第7点:当初のこの3人の家族の発言に「私達の身内の者が、ご迷惑をお掛けして申し訳ございません。」という謝罪の言葉がない事。

 議員の立場にある小生が「確たる証拠もなく発言するのはいかがなものか?」というご批判があろう事は重々承知の上だが、この拉致された3人が日本の自衛隊のイラク派遣に反対であることを考えれば、この事件が「日本の自衛隊派遣反対分子がイラクの反米勢力と通じて自衛隊撤退を企図した大芝居」と考えると上記の疑問点が全て納得できる。3人が直接的に関わっていないとしても、背後に反政府的な日本人の影を感じずにはいられない。

 そして、首相官邸がその事を把握していたとすれば、即座に「自衛隊の撤退には応じない事」、そして首相が「家族と面会しない事」を決めた事も理解できる。

 私は、「この拉致事件が仕組まれたものではないか?」という見方をするメディアが一社ぐらいはあっても良いのではないかと思っていたが、NHK,朝日新聞、テレ朝、TBSなど日本のメディアの論調の大勢は3人の家族の主張を擁護する内容であり、政府が退避勧告を出している地域に行く事の「非」とその自己責任を問うているメディアも少数である。

 4月13日の産経新聞がようやく「聖戦士旅団の声明に疑問符〜日本人の影? 過激派の文章に酷似」と述べたが、日本のメディアの圧倒的多数は左翼論調であり、保守的な意見を主張するには議員になるしかないというのが私が議員になった最大の理由である。

 忘れてはならない事は日本政府が強く退避勧告を出していた(だからこそ自衛隊を派遣した)危険な地域へ、自分勝手な3人の日本人が安っぽいヒューマニズムで赴き、その結果として日本国に多大な不利益を及ぼしているという事実である。

 私の発言が3人の名誉毀損にあたるなら甘受致しよう。しかしながら、この拉致事件が「やらせ」の可能性があるという見方をどうしても提起する必要があると考え批判を覚悟で敢えて発言させて頂いた。
 
 もし、この拉致事件が「やらせ」であれば普通の国では3人の行為は売国行為に他ならない。そして普通の国では国を売った者へのペナルティは極刑である。そういう認識が今の日本人には余りにも希薄ではないだろうか?




2004年4月14日