埼玉県では土屋県知事の辞職に伴い8月31日に県知事選挙が施行される。

 現在埼玉県の人口は700万人を突破し、東京都、大阪府、神奈川県、愛知県に次いで第5位である。ちなみにスイスの人口は717万人、フィンランドは517万人、ノルウェイは447万人であり、埼玉県の人口は中規模の国家に匹敵する。

 ところで、国と地方自治体の差は何処にあるのだろうか?

 ギリシャ・ローマの時代から民主国家では、「言論の自由と参政権」という「自由と権利」の対価としての「義務と責任」が「兵役と納税」であり、この基本構造は現代の欧米先進国に至るまで変わっていない。「言論の自由と参政権」を認めずに「兵役と納税」だけを国民に課しているのが、北朝鮮やイラクの様な独裁国家と言える。

 地方自治体には納税の義務が存在するが、兵役の義務はない。ここが、国と地方自治体の差であろう。逆に地方自治体が住民に兵役の義務を課せばその自治体は国と言っても良い。

 振り返って日本の現状は、国防は他国に依存し、直接税を納めている国民も38%に過ぎず、間接税(=消費税)も先進国では最低税率である。また、選挙の投票率も高いとは言えず、昨年の施行された衆参補選の投票率は、千葉県に至ってはわずか24.14%であり、先人達が血を流して獲得した一人一票の普通選挙権も放棄されている。

 国防を他国民に依存し、住民の大半が納税の義務を果たさず、かつ選挙権が放棄され、無責任な言論の自由のみが跋扈する日本は国家と言えるのだろうか?

 ちなみに、ローマ帝国では参政権を有するローマ市民には納税と兵役の義務が課されていたが、奴隷は兵役を免除されていた。また、属州には納税の義務はあったが、軍役は免除されていた。まさに日本の現状は米国の属州であり、独立国家とは言い難い。

 県知事選挙の投票率に注目したいと思う。






国と地方自治体の違いは?
2003年8月7日