2002年5月31日
狂牛病は人類への警鐘】
 狂牛病の感染源とされている異常プリオンは蛋白質であるにもかかわらず、熱で変性失活するという常識を覆し通常の加熱調理では失活しない様だ。異常プリオンは触媒の様に働き中枢神経組織に存在する正常プリオンをどんどん異常プリオンに代えていき脳に海綿状変性を来たすという説が有力で、理論的には豚でも鶏でも発生し得る。

 狂牛病は食肉を安価に確保するために草食動物である牛に共食いさせた人類への「あまり自然の摂理に反する事をするな!」という警鐘と言える。周知の様に死体硬膜の移植によって発症したクロイツフェルト・ヤコブ病も異常プリオンが原因とされているが、医師から見れば、ある個体の蛋白質を他の個体に移植する事は生命が35億年も懸けて築き上げて来た「自己と非自己の識別のしくみ、免疫機構」への反逆であり、それなりのリスクを覚悟しなければならない。例えば、輸血や血液製剤は血液という臓器の移植に他ならず、それは肝炎ウイルスやエイズウイルスを蔓延させ、今後も未知の病原体が混入する可能性がある。

 クローン人間の妊娠が報道されたが、産業革命以降の環境破壊、大量殺傷兵器の開発など、そもそも「人類の歴史=自然の摂理に反する事」と言えないだろうか?

 天才物理学者ホーキング博士は千年以内に人類は滅亡すると予言しているが、彼によれば、宇宙には地球と同様、人類の如き知的生命体が存在し得る条件の惑星が約200万個はあると想像されるが、そのような惑星に未だ遭遇しないのは高度に発達した文明はあまりに不安定で短期間で自滅してしまうからだという。つまり仮に人類が1万年間繁栄し得たとしてもそれは地球の歴史46億年のうちの46万分の1にすぎず、広い宇宙に5個しかない計算になる。

追記:2001年1月まで、EUの狂牛病発生国から肉骨粉を輸入し続けていた農林水産省にも「非」はあるが、1988年に肉骨粉を牛に与えることを自国では禁止しながら、フランスやドイツなどEU各国のほか、日本などアジアにも肉骨粉を輸出し続けた英国の責任を日本のメディアは何故追求しないのだろうか?自国の「非」の追求には熱心だが、他国の「非」には沈黙するのが日本のメディアの特徴と言える。