2002年9月20日
【国交正常化の前に金正日政権を打倒すべし
 今まで拉致の存在すら認めていなかった北朝鮮が、日朝首脳会談でその存在を認め、謝罪した。拉致され2度と祖国の土を踏むことなく8人の同胞が亡くなった事が事実ならこれは明らかな国家犯罪だが、日本ほど犯罪やテロに寛容な国もなく、麻原彰晃、ビン・ラディンと同様に金正日総書記にも寛容で、国交正常化交渉を再開し、正常化後に経済援助する事で合意した。

 戦後の日本外交がヤクザに上納金を払って大人しくしてもらう「事なかれ主義外交」であった事を考えると、4人生存・8人死亡というショッキングな結果であったにせよ、拉致被害者の安否の情報が得られた事では、今回の小泉訪朝は評価できる。

 しかしながら、金正日総書記が「拉致も不審船も、特殊機関が勝手にやった事」として自身の関与を否定している点、援助を引き出すためなら「拉致はない」という主張も容易に180度変える点、日朝平壌宣言に拉致のくだりが一言も盛り込まれていない点など問題は山済みであり、そもそも平気で嘘を吐く人物が「もう2度と拉致はしない。ミサイル発射を無期限で凍結する」といっても何処まで信用できるのだろうか?

 北朝鮮が譲歩した背景には、自国の食料やエネルギーの窮状もあるが、イラク、イランと並んで「悪の枢軸」と名指しした米国の圧力がある。日本は米国と同盟関係にあり、やはり、この機に米国と協力し金正日政権の倒壊を目指すべきではないだろうか?

 亡命者が後を絶たない北朝鮮の人々が金正日政権の継続を望んでいるとは思えない。民主化(=選挙の実施・言論の自由)のためなら、日本は大胆に経済援助し、インフラ整備に協力すべきであるが、金正日政権を延命させるだけの経済支援はむしろ有害無益ではないだろうか?

 武力に訴えなくてもコメ支援や朝銀への公的資金投入を止めて、覚醒剤の密輸を徹底的に取り締まり、北朝鮮に対する資金の流れを止めれば、金正日政権は自滅する。北朝鮮国内の反金正日勢力を支援し、内部から崩壊させ、北朝鮮の国民自らの手で民主化させるのがベストであり、外交機密費は本来そのためにある。

 言論の自由と選挙がある民主国家とそれが無い独裁国家との付き合い方は分けて考えるべきだろう。そもそも、独裁国家の代表とも言える金正日政権と国交を正常化する必要があるのだろうか?

 北朝鮮が民主化されて、はじめて国交正常化ができるのではなかろうか?

 金正日政権は、テポドンの照準を日本に合わせている事は言うまでも無く、日本人を拉致し、外貨獲得のため覚醒剤を日本に持ち込み密売し、朝銀に投入された日本国民の血税の一部を懐に入れている。日本は四方を海で囲まれているとはいえ、金正日政権が続く限り枕を高くして眠れない。言論の自由も選挙も無い独裁国家を一つでも減らす事が世界平和への王道ではないだろうか?