2002年6月20日
防衛庁リスト作成問題】
 防衛庁が組織的に情報公開請求者の個人情報リスト作成し閲覧していた。日本のマスメディアは「盆の上の豆の如し」と称されるが、この問題に対するメディアの論調は「けしからん」の一色である。言論の自由のある国ならば、防衛庁という「国民の生命と財産を守る役所の行動としては当然」とする意見がもう少しあっても良い。

 米国では9.11の自爆テロリスト達が自国内で飛行訓練を受けていた事実を重視し「CIAやFBIの諜報活動を強化せよ」という世論も強い。一般の国民が防衛庁の資料請求するよりも「サリンを撒かん」とする不心得者が自衛隊の警備能力を知るために資料請求する可能性の方が遥かに高いのではなかろうか?

 孫子は兵法に於いては諜報活動が最も重要で「敵を知り己を知れば、百戦危うからず」と説いた。同時多発テロも地下鉄サリン事件も事前に分かっていれば未然に防げている。

 問題は防衛庁がリストを作成した事よりも、防衛庁や外務省の様な国益に直結する役所の機密が易々と漏洩する我国の危機管理体制であろう。