米国が民間人を巻き添えにしたテロ攻撃を受けた。英・仏の首脳が「自由と民主主義を守るためにテロとは断固戦う姿勢」を表明したのに比べて、日本の政府とメディアの最優先課題は「日本人の安否の確認と救出」であった。これが自国の防衛を常日頃依存している同盟国に対して取るべき態度であろうか?

 湾岸戦争の際、金だけ出した我国は国際社会では全く評価されなかった。PKOに参加していた自衛隊員が「日本は湾岸戦争の時に130億ドル、国民一人当たり一万円出した」といったら、国連軍の兵士に「じゃ、俺がお前に一万円やるから俺の代わりに戦ってくれ」と言われて返す言葉がなかったという逸話もある。

 米国人は普段はああ見えても国難に対しては一致団結する。各地で星条旗が振られ、若者達が兵役に志願している。それに引き換え日本人の「国」や「公」なるものに対する意識の希薄さはどうだろうか?

 この事件で世界は変わった事を認識すべきであり、日本で自爆ハイジャックがあっても不思議はない。「日本人さえ良ければいい」という対応では、日本人は孫子の代まで国際社会の失笑を買う事になりかねない。

 日本では「武力では何も解決しない」と主張する人達が進歩的と称される風潮が根強いが、万人・万国が善である事は机上の空論でオウム真理教の例を出すまでも無く、現実の人間社会では国民の生命と財産を守るためには警察や鍵と同様に軍隊も必要ではないだろうか?

 スイスは永世中立を宣言しているが、徴兵制の軍隊を保持している。何処の国とも戦争しないというのであれば憲法を改正しスイスの様に自分の国は自分で守るべきだし、同盟国ならそれに相応しい対応をすべきであろう。

 日本人が米国を訪れる機会は多いが、米国人に「何処から来た?」と尋ねられたとき我々は「日本からだ」と胸を張って答えられるだろうか?






2001年9月20日
9.11米国同時多発テロ事件