テロリストに「犯した罪を償わせる必要」はないのか?

 米国多発テロ事件は罪も無い民間人を無差別に殺傷するもので、いかなる理由があろうとも正当化されるものではありません。テロ首謀者に「法の下で犯した罪を償わせる必要」はないのでしょうか?

 日本では「武力では何も解決しない」と主張する人達が進歩的と称され、「貧しい人々=弱者=善であり、金持ち=強者=悪」という論理がある様ですが、「貧しい人達が貧困を理由に金持ちを無差別に殺傷してよい」とはならないし、そもそも、ビンラディンは大金持ちの子息です。

 「Retaliation」を「報復」と訳している所から日本のメディア報道は恣意的ですが、米国の行動は「報復」ではなく、「犯罪者を裁く」、即ち「国家間の紛争ではなく、罪も無い民間人を無差別に殺傷するテロという犯罪を取り締まり、再び安心して飛行機に乗れる秩序を回復するため」と理解すべきで、ただ規模が大きいので軍隊の出動が必要なだけです。

 日本人は日々の安全かつ豊かな生活が米国等の西側諸国の平和と繁栄に大きく依存している事をもっと認識すべきで、我国もテロ撲滅に対して最大限の協力をするのは当然ではないでしょうか?

 そもそも、犯罪者に対して日本ほど寛容な国はないでしょう。オウムのサリン事件はまさしくテロ行為ですが、未だに麻原裁判は継続中で、オウムは活動を継続しています。オウムの麻原彰晃は「話せば分かる相手」でしょうか?タリバンの仏像破壊や女性に対する扱いを見ると「話しても分からない相手」のような気がします。

 ビンラディンを逮捕し、そのテロ活動を撲滅するのと、麻原彰晃を逮捕し、オウムのテロ活動を撲滅する事に本質的な差はありません。警察では対応不能の場合、自衛隊の派遣も、攻撃を受けた際の自衛隊の武器使用も、武器・弾薬の輸送補給も可能ではないでしょうか?

 憲法の前文には「全世界の国民が、等しく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有する」とあり、また「いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」とあります。

 我国の進歩的と称される人々はテロに限らず、少年犯罪、児童虐待などに於いても「それを生み出す社会のせい」にする傾向がありますが、逆に犯罪者に対する不適切な人権擁護が善良な一般国民の「等しく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利」を侵害しているのも現実です。
2001年10月9日